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半世紀前の雑誌コピー

半世紀前の雑誌コピー_e0023517_12233943.jpg半世紀前というと、はるか昔のように聞こえますが、よく考えたら自分もうっかり半世紀近く生きてます。

先日、仕事の資料として借りてきました。「演劇界増刊・歌舞伎」。演劇界といえば今もなお続いている歌舞伎中心の演劇誌ですが、こちら、よく見ると昭和32年発行。つまり、56年前の雑誌です。

こんなに古くても現役の資料として十分使えるところが、さすが歌舞伎だなあと思うわけですが、中身はおいといて、個人的にとても気になる部分が。

半世紀前の雑誌コピー_e0023517_12302012.jpg呉服推しの松坂屋広告にも時代を感じるのですが、問題はお隣。関連書籍の広告が綴じ込まれているのですが、

半世紀前の雑誌コピー_e0023517_1232213.jpg「こんなに詳しく写真の多い名鑑はおそらく初めてのことです」

今なら「史上初!グラビア満載で全歌舞伎俳優を網羅!」くらいのあおりは入れると思うのですが、「こんなに詳しく写真の多い名鑑」が「おそらく初めて」という、なんともマイルドな語り口。その横に入ったリードもイカしてます。

「グラビヤ四〇頁・本文一四四頁・用紙は精選して使いました。表紙は歌舞伎好みの古い押絵を生かした気の利いたもの・造本には特に留意しました」

あ、自分で「気の利いたもの」とか言っちゃうんだ?  「紙もいいの使ってますよ」なんてところまで語っちゃうんだ? 

半世紀前の雑誌コピー_e0023517_1240485.jpg次のページには「歌舞伎狂言百科」の広告。

「歌舞伎狂言のことなら何でもわかる本--それをめざして編集部が二年がかりの精魂こめて作ったのがこの三冊です。写真は驚くほど沢山使って、楽しく見ながら深い智識を得られるようにと工夫しました」

なんでしょう、この血の通った感じ。昔の雑誌は、こんな雰囲気だったんでしょうか。温かみがありますね。「写真を驚くほど沢山使って」という「とにかくスゴイんだよ、数は具体的には言わないけど」というぼかし方がたまりません。

半世紀前の雑誌コピー_e0023517_12462351.jpg「新歌舞伎読本」です。

「『歌舞伎狂言百科』三冊は非常な好評を受けて、全くそのさかんな拍手には本社でも驚いています」

ってなんという劇的な表現!出版社のまわりを読者がスタンディングオベーションしている姿が目に浮かびます。
編集者がどんな気持ちで作った本なのか、というのをアピールするのって、なんかいいですね。作り手と読み手の距離感がグッと近づく感じ。

ちなみにこの増刊の目次では、グラビアメインのところは「見るページ」、コラムや評論企画は「読むページ」と、丁寧なアイキャッチがついていました。こんな人たちが愛している歌舞伎を、私も愛してしまいそうです。
by akiedayumi | 2013-08-11 12:59 | つぶやき

「ここ」と「どこか」をさまよいながら、デジカメ片手につぶやき続けて17年目。山口→大阪→東京→アメリカ→東京→NY→東京→離島とさすらいライター人生爆走中。2020年4月より毎日更新トライ中。あげなくてもよかったんじゃないか写真も多いかと思いますが、気にしないでください。


by akiedayumi
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