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あの日から何かが変わった

e0023517_23323398.jpg毎年、この日にブログを書くのが習慣になってしまった。6年目の911。この「つぶデジ」でのエントリーも4回目。

全く違うところから、全く違う偶然に導かれたのに、なぜか同じテーマにたどり着いていた、ということが最近立て続けにあった。それは911から私たちは何が変わったんだろうか、ということ。

小林紀晴さんの『父の感触』は人づてで偶然手にした新刊。911の時に現地に留学していた彼の手記と、無口な実父が亡くなるまでの日々が交互に描かれる。あの時現地にいた人しかわからない違和感や嫌悪感、あっけらかんとした現実(例えばテロのすぐ後にニューヨーカーはパブでビールを飲んでいたとか)が生々しく正直で、納得したりそうだったのかと思ったり。

『911ジェネレーション』は、図書館で探していた本の隣にあった。米国留学中の女子高生が学んだ戦争、という言葉から喚起されるイメージを裏切る内容。1日の大半を学校で過ごす10代の日々と、国際情勢というとてつもなく大きな動き。とにかく圧倒的な筆力にビックリする。

そして『ミリキタニの猫』。911の日、マンハッタンにサイレンが鳴り響き、噴煙が立ちこめ、人々がパニックになっている街角でひとり黙々と猫の絵を描いていた、路上の日系人画家ジミー・ミリキタニの魂の旅。予告編を見て、911のことが描かれるのかなと思ったら、すごくあったかい気持ちになる優しい映画だった。ドキュメンタリー映画とは思えないドラマチックな展開。

e0023517_055812.jpgそしてきわめつけは静岡でのこと。用事の後、たまたまぽっかり時間があいて、たまたま駅前をぶらぶら歩いて、こんなところに109があるんだあ〜かなんか考えていたら、ショウウィンドウを見て「あれ? この絵…!」

SHIROちゃんは、私がヌーヨークに住み始めて最初に取材した女の子だった。静岡で看護士の仕事をやめ、ヌーで英語学校に通いながらグラフィティ・アーティストとして活動していた留学生。とにかく笑顔がチャーミングで、初めて会う人の懐にするすると入っていくような不思議な魅力のある子だった記憶がある。

知らない街で1人きりになり、不安で不安でたまらなかった私は、彼女の話を聞きながら、ついつい自分の気持ちをもらしたりして、ずいぶん励ましてもらった(取材相手に悩みを打ち明けるなんて、後にも先にも経験がない)。その後、私がなんだかんだあって音信不通になってしまったのに、まさかこんなところで再会するなんて。ああ彼女もがんばっているんだな、と思うと手放しに嬉しい。

いろいろ考える6年目の911。私の中もきっと何かが確実に、動いている。
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by akiedayumi | 2007-09-11 00:17 | ヌーヨーク07